血圧ケア講座

運動

実践編:血圧が高めの人のための「ゼロからはじめるランニング」

血圧降下に有効な有酸素運動の中でも、愛好家が急増中のランニング。
血圧が高めの人がチャレンジする場合、どんなことに気をつければよいのか、
ランニングを愛好・実践している医師の全国組織「日医ジョガーズ連盟JMJA」の会員でもある
稲葉貴子先生にうかがいました。

ランニングは血圧ケアによい?

負荷の軽い有酸素運動として行うなら、答えは「○」です。継続的に有酸素運動を行うことは、血圧を下げる効果はあると言っていいでしょう。有酸素運動で血圧が下がるメカニズムについてはこちらを参照してください。ただし、ランニングの最中は心拍数も血圧も安静時より上昇しますので、すでに高血圧症と診断され、治療を行っている方は医師の指示を必ず仰いでください。
有酸素運動を続けることで体脂肪が燃焼、ダイエット効果による血圧降下も期待できます(体重が1kg減少すると血圧が2〜3mmHg下がります)。ちなみにランニングの消費カロリーは<体重×距離=消費カロリー>で計算できます。つまり、体重が50kgの人が10km走ると500kcalが消費されるというわけです。運動で消費されるカロリーは意外と少ないのですが、根気よく続けることで基礎代謝も上がり、体重減少につながります。

血圧が高めの人のためのランニングアドバイス

おしゃべりできるくらいのペースで走る

最初はできればウォーキングからはじめ、おしゃべりできるくらいのペースで走ってください。短距離走のようにダッシュをしてしまいますと、無酸素運動になり、逆に血圧が上昇してしまいます。

継続することが大事

厚生労働省の指導では、高血圧には週3〜5回、20分以上のウォーキングを推奨しています。ランニングの場合も同じくらいの頻度で継続するのがおすすめです。

水分補給は「喉が渇く前」に

喉が渇いているといことは、すでに体が水分不足になっているという状態ですので、そうなる前に少しずつ水分を摂るようにしてください。長い時間走れるようになったら、途中で給水できるよう、給水ポイントを見つけておくか、ドリンクを持参するといいでしょう。

ランニングに向いた服装を準備する

不快(=ストレス)と感じることは血圧を上げる要因になりますので、なるべく取り除いておくことが大切です。速乾性のあるウェアを取り入れたり、紫外線や暑さから身を守る帽子やサングラスなどツールを少し工夫するだけで快適さに違いが出ます。また、初心者の場合も必ずランニング用のシューズで走ってください。足を痛めるリスクが格段に減ります。

他人と競争しない

特にスポーツ経験のある男性に多いのですが、ムキになって前の人を抜こうとしたり、競争したりしてしまう方をお見かけすることがあります。ダッシュは無酸素運動になるだけでなく、競争することがイライラ(=ストレス)につながることが大いに考えられますので、他人と競争しないことを心がけてください。

1週間ごとにステップアップする

最初はウォーキング、次は走る・歩くを交互に、そして走る距離を増やしていく、というように1週間を目安にステップアップしていくようにすると、効率よく走れる体になっていきます。

稲葉先生に聞く「ランニングの楽しみ方」

私も数年前までほとんど運動していませんでした。代謝が落ちて太ってきたのでゴルフをはじめたんですが、足腰を鍛えればもっと飛距離が伸びるかな、と試しに走ってみたら気持ちがよくて、週に2〜3回のジョグから、だんだん走る距離も増えて、いつしかレースにも出るようになって。これまでにフルマラソンも8本、フルより長いウルトラマラソンや山岳レースも好きで、50レースくらい走りました。なんといっても走ることそのものが気持ちいいのですが、それ以外にもいいことがいっぱいありました。ジーンズのサイズは3サイズ小さくなりました。日常の生活で「疲れた」と感じることも、肩こりもなくなりました。食事もおいしいし、よく眠れるようにもなりました。ランニングの健康増進効果を自分の体で実感しています。
ランニングのよいところは、お金をかけずに自分のペースですぐはじめられるところ。今はマラソンブームですから仲間をみつけて一緒に楽しむこともできますし、全国でたくさんのレースが開催されるようになっていますから、地方に遠征してレースを楽しむこともできます。まったくの未経験者でも4ヶ月トレーニングすれば、フルマラソンを4時間台で走ることも可能。有名な「東京マラソン」完走も“夢”ではありません。各地で数多くのレースが開催されますので、目標を定めてランニングをはじめるのもいいのではないでしょうか?

監修:稲葉貴子先生(医師)


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